人には守らなければならないものがある。

これだけは譲れない　譲ったら俺じゃなくなる　そんなものを持っているだと思う。

また、同時に自分の背中を押す原動力となる何かを持っている。

自分が挫折しそうになってもささやかで、そして確かに自分を支える何かあるんだと思う。

ある人は趣味と答えるか、またある人は自分へのアイデンティティ、信念、生活、仕事、友達、あるいは愛だなんて答える人もいるかもしれない。

俺はそれを約束と呼ぶんだと思う。

この挑戦は長かった。

周りからは（マジかよ・・・）みたいな目で見られ、お前ハゲてるくね？なんて言われ、侍か浮浪者か　どっちがふさわしいかなんていう不毛な論争も飛び交うこの数カ月間。

親から「いや・・・ちょっと後ろの方歩いてくれる？」　「あんまり一緒に歩きたくないよね」　と罵倒される日々。

おねぇは「マジで汚いから切れや！！！　汚いんじゃ！！！」と血縁関係にあることすらも拒否する勢いでの罵倒。

邪魔で邪魔で仕方ない前髪。　ジュースもデミグラスソースも鯖の味噌煮も何もかもを背負おうとする前髪の主張。

肩にかばんをかけてもいつの間にか巻き込んでしまっている襟足。

曲がり角で後ろを確認するときに視界を遮る前髪。

そんな俺を邪魔する何もかもを解放する時が来た。

ここまでやってこれたのは約束があったからだろう。

何度も（もう誰も期待してないっしょ正直　今切っても何の問題があんの？正直なくね？みんな俺をみて不快になるだけだろ？もしかして誰も得してなくね？てか俺何のためにこんなことやってんの？）と思った。

そのたびに立ち直らせてくれたのはこのブログでの約束。　自分へのケジメ。　きっと少数の人の遠目から眺めて楽しんでいるあなたのために俺は耐えた。

長髪よさようなら、周りの視線よさようなら、俺を縛る何もかもよさようなら　俺は今自由になります。

いざ、断髪の儀

 

 

 

 

 

どうも

おはようございます。

ogoです。

予告通りです。　今日俺は髪を切ってきました。

もう怖くて怖くて仕方なかったです。　なぜか？

あの店の雰囲気に調和できないからです。

毎日着実に俺の元に向かってくる恐怖。　一歩一歩どんどん追い付いてくるのです。

俺はもともと髪を切る場所が嫌いです。

実は俺は小６から美容院というかなり早いデビューを果たしています。

おっかやん、おねぇがそこに行ってんだからお前も行けってことで強制連行されてから今日までずっと続いています。

その頃はいくら俺が老け顔といってもさすがに無理があります。

大人がたくさんいて明るい店の雰囲気、おしゃれ　その頃はオシャレする人間が全く理解できなかったので当然服装なんかに気を使うはずもなく　浮きまくって仕方なかったですね。

そしてこれは今はもうなれましたが髪切ってる人との会話というものが嫌で嫌で・・・。

（頼むから黙って仕事してくれや・・・）と何度心のなかで愚痴っていたかわかりません。

この頃の俺の恐怖とは少し違っていますが、「美容院に行く」という苦行が段々近づいているという点では共通しています。

もう自転車こいでる時とか「つれぇな～・・・なんでこんなことになってんのかな～・・・」とずっとひとりごとを言っていました。

（最初の掴みが肝心・・・）

ｶﾗﾝｶﾗ~ﾝ・・・

「ｱｯ予約してましたogoです」
受付のキレイなおねえさん『あっogo様ですね！お久しぶりです～』
「ｿｯｽﾈ　・・・・・・」

「汚いでしょう？　入店拒否られたらどうしよか思いましたよ　ﾌﾊﾊﾊﾊﾊﾊｗｗｗｗｗｗｗ」

（やべー今の俺超頑張ってるーやべー）

そして一旦髪を濡らすアレをします。　そうすると見知った人が通りかかります。

『あれっogoくんやん　めっちゃ伸びてるけどどうしたんｗｗｗｗｗｗｗ』
「いやーやってみたかっただけなんすよ　ﾌﾊﾊﾊﾊﾊｗｗｗｗｗｗｗ」

 

『いやーすごいっすねー』

コレ

（これってなんだよ・・・）「いやーほんと申し訳ない限りです　重いでしょう」
『そっすね・・・（笑）』
「全然水染み込まないでしょう　今割と重力感じてますよ　ﾌﾊﾊﾊﾊﾊ・・・」

やりづれー・・・

そして俺の小６の頃からずっと俺の髪を切り続けてる人である藤井さんと一年ぶりに会いました。

見た感じはTOKIOの長瀬の後ろでオールバックで髪くくってる感じを想像してもらうといいと思います。

『いや～なにこれogoく～～～～ん　すごいことなってんね～～～～』
「でしょう　こんなこと一生できないんでね」
『これ今日どうすんの？』
「そっすね～・・・どうしよ・・・とりあえずスッキリさせといてください」
『じゃあ・・・今流行りのアレいっちゃう？』

いつもおすすめしてくる・・・名前忘れました。　モヒカンじゃなくて・・・横サイドを中身だけ切る感じの・・・伝わんないですかね。

「いやー僕あんま冒険したくないんで」
『もっと僕を信用しよう』

ﾁｮｷﾁｮｷﾁｮｷ

『これほんとすっごいね～・・・ｗｗｗｗこっから半分以上量減らすけど・・・いっすかね先輩』
「あなたの方が先輩でしょｗｗｗ」

ﾁｮｷﾁｮｷﾁｮｷ

おねえさんが俺の周りに散乱する髪を掃除しようとしてましたので

「ちょっと待ってください！　後で撮るんで残しといてくださいお願いします」
『ｱｯﾊｲ・・・』

ﾁｮｷﾁｮｷﾁｮｷ

『いいねぇ～大人になってない？　いいねぇ～～かっこいいね～～』
「僕としては藤井さんの仕事増やして申し訳ないんですけどね」

なんかすごい楽しそうでした。　親が切ってもらってる時　ogoくんはいっつも溜め込むから切りがいがある　と言っていたそうです。

そして最後の洗髪の時。

あっそれちょっと撮っていいっすか

「うはー・・・すげー・・・」

「俺　の　頭　が　落　ち　て　る　み　た　い」

 

 

 

まぁこんな感じで終わりました。　本気で怖かったですが案外すんなりいきましたね。

さて、髪を切ったogoはどうなったのでしょうか。

と、その前にbeforeをご覧ください。

俺「外行くぞ」
なににぬ『え、なんで』
俺「外の方が心置きなく撮れるだろ」

 

そこ登って

登る意味あんの？

滑って

滑る意味あんの？

 

公園でこんなことやってたらそろそろ言い訳できなくなりますね。

ではafterはどうなっているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

み　　じ　　か　　い

やべぇ！！

耳に風が通り抜ける！！

 

 

 

 

今回でわかったことは

髪長いって大変だね

ってことです。

俺は出会った女に髪型についてなんか言われたとき、とりあえず髪伸ばしとけって言います。

いやまぁそりゃちゃんと考えてますよ？　ショートがいいだろうという人にはそういう風に言います。　でも俺の好みなんです。

あの鮮やかな黒、流れるストレート、もはややましい目とかそういうんじゃなくて言葉悪いですが『芸術品』を見ているようです。

綺麗なものに惹かれるということは人間であることの証でしょう？　欲情はしてないとは言いませんが。

しかし俺の好みのあの黒髪というものはやはり『芸術品』であることに間違いはなかったようです。　なぜか？

魅せるにはそれ相応の手入れが必要です。　芸術作品を長い時間をかけて丹精込めて創作するように、髪もまた大きく気を使わなければそのクオリティに仕上がるはずはありません。　あれは努力の結晶であり『芸術品』なのです。

決してロングヘアをナメていたわけではありません。　大変だろうなと思いながらも想像の域を超えませんでした。

女がするロングヘアとは今回の俺の人生最大の長さをもってしても敵わないでしょう。

この長さで既に大いに気にかける部分があるならば、さらに長いとなるとその苦労はとてつもないことになるだろう　そう思います。

俺が髪を手入れしていたのか　と問われると微妙なところです。

しかし髪をくくったり、くくる以上ストレートに越したことはないので意識はしていました。

俺はもうむやみにロングを推さないでおきます。　推すときは

「（ん～～～！大変だろうね！！でも怒らないでね！ごめんね！ロングにするということは面倒だろうね！でも君はロングの方がいいと思うんだ！あの苦労を押し切って敢えて言わせてもらうならば）ロングにした方がいいよ」

と言うことにします。

俺の「ロングにした方がいいよ」という一言にはとてつもない感情が渦巻いていることを理解してください。

 

 

そして髪を伸ばそうかと考えている野郎に告ぐ。

よほど髪質に自信ない限りやめとけ。